小説 京極夏彦

小説 京極夏彦の情報ページです。
「姑獲鳥の夏」京極夏彦 1994/9文庫1998/09




太平洋戦争が終わり戦後の復興を遂げつつある時代。
作家関口巽が雑誌の取材で知ったとある事件、すなわち「20ヶ月以上妊娠し続ける女性」について相談するため友人京極堂を訪れるところから物語が始まる。



推理小説が好きな人なら今さらな感じですが、京極夏彦のデビュー作です。
物語の舞台となるのは久遠寺医院という病院で、雰囲気のある小説です。
あらすじに関しては最初の導入しか書いてませんが、推理小説ですし、この小説は物語全体で一つのミステリという性格が強いのでこのくらいにしとかないとネタばれしかねません。

この小説の魅力はまず第一に世界観でしょう。
時代が現代ではなく戦後間もない時期で混乱した時代です。そんな時代に京極堂の語る妖怪が不思議にマッチします。

次に個性的な登場人物がたくさん出てきて、それも魅力の一つだと思います。
関口巽…鬱気味な作家、頭は全く切れません。顔は猿に似ているらしい。
京極堂(中禅寺秋彦)…古本屋「京極堂」の主人。妖怪からアインシュタインまで様々な知識を持ち、詭弁を弄する。
榎木津礼二郎…旧華族で眉目秀麗の「薔薇十字探偵社」の探偵。躁の気がある。この小説の中でもっとも変な人。
木場修太郎…刑事をやっている。顔は四角で目は小さい。関口とは戦争中同じ部隊にいた。榎木津の幼馴染。

3つ目に京極堂の話が面白いです。
妖怪から物理学、心理学とジャンルを問わず彼の主張に納得させられます。


僕は3つ目の京極堂の論理に中学時代夢中になりました。
初めて読む人には漢字もやたらと面倒くさいし、本の分厚さからも敬遠されそうですが、読んで間違いなしの傑作です。

実は中学時代理解できないところがあってもう一度読み返しましたが、また夢中になってしまいました。その部分に関してはネタばれもあるのでread moreに書いておきます。
               評価    ★★★★★




映画化もされました。
僕は原作が面白かった映画はあえて見ませんが、賛否両論、イマイチという意見が少し強そうです。