小説 村上春樹

小説 村上春樹の情報ページです。
「ダンス・ダンス・ダンス」村上春樹 1988/10文庫2004/10



羊をめぐる冒険」から10年が経過し、「僕」が再び迷走する。
友人との翻訳事務所もやめ、ライターとして暮らしている「僕」だが、「羊をめぐる冒険」のあと、何かを失ったように感じてきた。
それを探すために再び北海道に行くが…。
「僕と鼠」の青春3部作の続編。




この作品は僕の村上作品のレビューを読んでもらったら分かると思いますが、誰が何と言おうと僕にとっては良作です。

たとえ長すぎると感じても、意味が分からなくても大好きです。

下に批判も書いていますが、村上春樹の長所(洒落た文章や読者を魅了するストーリー、登場人物の魅力など)が、しっかりと出ていて、「ノルウェー」よりは100倍良いと思いました。
主人公の不安や苦しみも理解でき、おすすめの一冊です。




しかし今回はこれまでと違い、青春の中でも「死」がやたらと出てきて、これがテーマの一つなんだと思いますが、いかんせん死にすぎという感が否めません。
ひょっとして登場人物がみんな死んでしまうのではないか、とすら思いました。

厳しい言い方をすれば、もうちょっと死を重く扱うべきだったのではないかと思います。




この小説の中に出てくる言葉で一番印象に残ったのは「踊り続けなければならない」という羊男(作中に出てくる男)の言葉です。

生きていく中で、つまずいたり、立ち止まったり、あるいは不安を感じているすべての人の心に沁みこむのではないでしょうか。


ちなみにこの本を読む場合、確実にこのシリーズを読んでからの方が良いと思います。
                         評価    ★★★★★



「スプートニクの恋人」村上春樹 1999/04文庫2001/04




僕の女友達であり、片想いの相手「すみれ」に初恋の相手が出来てしまう。
その相手は女性で韓国人で洗練された17歳も年上の女性。

小説家になろうともがき苦しむ「すみれ」は彼女に惹かれ、どんどん彼女に傾倒していく。
僕、「すみれ」、お互い好きな相手に理解してもらえない2人にどんな結末が待っているのか?


最近の村上春樹とはちょっと違う、僕の好きな「鼠と僕」のシリーズや「ノルウェー」に似た作風です。
恋愛も絡んできますが、どちらかと言うと青春小説かなぁ、と思います。

僕は初期の村上春樹ファンで、大の青春小説好きを自称しています。
だからこの話も嫌いではないのですが、それほど面白いとは思えませんでした。

刹那的生活、喪失感、自己実現の困難さなどは「鼠と僕」のシリーズで十分堪能しましたし、村上式恋愛は「ノルウェー」で十分すぎるほど分かったので、それらが合体した今作はちょっと食傷気味かな、と思いました。

この小説で村上春樹デビューする方なら新鮮かもしれませんが、最初にこれを読むのもちょっと重いかなって気もしますし・・・、なかなか評価し辛い小説です。



しかし、この度AMAZONの商品説明を読んでビックリしました。
抜粋しますと「「僕」が帰って来た。平仮名の「ぼく」になってはいたけれど、それは紛れもなく鼠の友人であり、直子の恋人であり、ビールとジャズとコットンシャツを愛する「僕」だった。」

あれ?続編だったの?
どこにそんなこと書いてあったっけ?

むしろこの文章の方にビックリしました。
村上ファンだけど、この小説がつまらないと思っている皆さん。僕はこれから読み返します。皆さんもぜひもう1度だけ読み返してみましょう。
新しい何かが発見できるかもしれません。




最近気がつきましたが、AMAZONの商品説明とかレビューって読んでみると気づかなかったこととか知らなかったことがいっぱい書いてあって面白いですね。
                 評価    ★★★☆☆
「ノルウェイの森」村上春樹 1987/09文庫2004/9/15




死の影から逃れられずに苦しむ直子と主人公、そして様々な登場人物の青春の暗闇。
その中でもがく恋愛小説。


この小説は感想としては難しいです。
村上春樹の大ベストセラーであり、代表作ですが、僕には面白さが分かりませんでした。

村上春樹の小説は様々なメタファーや幻想的、おとぎ話的で曖昧な部分が多用され、そしてそれらが彼の良く描く過ぎ去った青春時代の内容とマッチするのが僕はとても好きです。

しかし、この小説では恋愛を描きながら、それらを使おうとしてうまく合わなかった感じがします。


青春の気持ちは自分でも分からない感じがすると思います。だから、曖昧な感じで良いと思います。それぞれが村上春樹さんの文章の世界から思い思いに感じ取れば良いと思います。

しかし、恋愛小説で気持ちが分からないというのは読んでいてぼんやりした印象しか残らないように思います。


とはいえ、読んで無駄な時間を過ごしたようには感じません。
多くの人に愛されている小説なので言葉の一つ一つには考えさせられるところはあります。

短編で書いていたら面白かったかも…と思います。
               評価    ★★★☆☆


「風の歌を聴け」村上春樹 1979/01 文庫2004/9/15




1970年の夏、「僕」と「鼠」はジェイズバーで短い時間を共有する。

「僕」が通う東京の大学の夏休みの間に出会う「鼠」と「女の子」との日々。

それぞれが考え、それぞれの道を歩んでいく。

そんな道の途中でたまたますれ違った「僕」たちの人生の断片。





この本は、何か事件が起こるわけでも、何かを手に入れるわけでもない青春の日々を描いた作品です。

帯にある「僕たちの夢はもう戻りはしない」というのがまさしくこの小説を言い表しているように感じました。

この手の、日常を描いた小説の中ではおそらくNo.1だと思います。

村上春樹の読者に想像の余地を残す書き方に物語の可能性を感じました。

青春3部作の1作目です。
続いて「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」があります。
そして最後に「ダンスダンスダンス」に続いていきます。
                 評価    ★★★★☆


単行本はこちらです。
「羊をめぐる冒険」村上春樹 1982/10 文庫2004/11



羊を探す旅に出る「僕」の物語です。

主人公と「鼠」は「風の歌を聴け (講談社文庫)」、「1973年のピンボール (講談社文庫)」から引き続いて登場します。

3部作の最終話です。



「1973年のピンボール」から時が流れ、仕事も順調に大きくなるが、そんな生活に合わせる事が出来ない「僕」。

そんな中、「鼠」からの手紙が一つの事件を僕に運んでくる。

タイムリミットは1ヶ月、背中に星型の模様がある羊を見つけださければいけない。


羊とは何なのか?
「鼠」はどこにいるのか?




時代が移り、かつてのモラトリアムのような生活に終わりの季節が近づいている。

「僕」は何を求めるのか、そして見つけた先どうなるのだろう?



そんなお話です。
僕はこの物語が、自分自身の中にある不安や苦しみといった負の部分との対決や青春の終わりを意味していると思いますが、ひょっとしたら間違ってるかも…。

村上春樹の小説は好き嫌いがはっきり分かれそうです。

僕も中学や高校時代に読んでいたら嫌いになっていたかもしれません。
                 評価    ★★★★☆




単行本はこちら。