小説 小川洋子

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「博士の愛した数式」小川洋子 2003/8/28 文庫2005/11/26



1991年芥川賞受賞の小川洋子さんの「博士の愛した数式」です。

これは純粋に面白い本に贈られる本屋大賞も受賞している作品です。



みんなが面白いという本は読まないという天邪鬼な僕は最近になってようやく手に取りました。


読了後の感想…、これまで読まなかった僕が馬鹿でした。


かつて負った事故の傷で記憶が80分しか持たない元数学教授の老人。
彼の兄嫁(兄はすでに死んでいます)からの依頼で家政婦として通う「私」。




まず、老人(博士)の浮世離れした可愛らしいキャラクターが魅力的です。
人生を数学だけに捧げてきて、他の常識は一切ない。
野球は見たことがないのに、阪神の大ファン。
自分の記憶が80分しか持たないため、外に出ることを極度に怖がり、かわいい女の子を前にすると照れる。


シングルマザーの「私」は息子を抱えて、必死に暮らしています。
そして、「私」の母もシングルマザーだったため、父親というものを知らないため博士との日々に幸せを感じます。



そんな「私」と「博士」と私の息子「ルート」の思い出が暖かく描かれています。
この牧歌的な日々にホッとさせられます。

また、そんな日々に時折あらわれる「博士」の80分しか持たない記憶についてのエピソードを読んで最後に、「博士」の背広に貼り付けられたメモ「僕の記憶は80分しかもたない」を見れば心が震えます。

さらにこの本には、曖昧な表現だけどはっきりと分かる過去やバックグラウンドがたくさんあり、奥行きのある作品になっています。

                  評価    ★★★★☆


ハードカバーはこちら。



映画化もされていました。これは原作を読んだ僕も借りて見ようと思います。