小説 伊坂幸太郎

小説 伊坂幸太郎の情報ページです。
「死神の精度」伊坂幸太郎 2005/6/28 文庫2008/2/8




主人公「千葉」は死神。
突発的な事故で死ぬ予定の人間の前に現れ、7日間の間、その可否を決めるため調査する。
好きなものは音楽、極度の雨男でいまだ、晴れた空を見たことが無い。



金城武を主演に映画化された本です。
実は金城ファンの僕はぜひ映画館で見たかったのですが、1度見逃すと熱も冷めてしまい、DVD待ちになってしまいました。



ということで原作から入ってみました。

死神が登場する作品と言えば、これまた映画が大ヒットした「DEATH NOTE デスノート / DEATH NOTE デスノート the Last name complete set」なんかが思い出されますが、そういえばデスノートにおける死神リュークも人間に関する考察をしていてなかなか面白かったです。

この作品の死神はリュークのような化け物ではありません。
どうやら固有の姿のない、抽象的な存在のようです。

ただし、人間の世界に降りる時に仕事をしやすいようにそれぞれ姿が決められます。

面白いのは調査部からの情報を元に仕事をする「千葉」のような死神がたくさんいるところです。
サラリーマンのように彼らを同僚と呼び、調査部の仕事の適当さに愚痴るあたりも人間ぽくて楽しいです。


伊坂作品にしては驚きの急展開や緻密に張り巡らされた伏線はそれほどありませんが、死神や死を扱った作品の割には暖かい気持ちになる後味の良いものになっています。



またこれも恒例となってきた感が僕にはありますが、他の作品とのリンクがここにもあり、ファンとしては懐かしい思いがします。

死とは何か、人の幸せとは何か、ということに想いを馳せさせてくれる好著でした。

                 評価    ★★★★★



ところで金城武の映画ですが、彼は何故か映画では暗い青年役が多いですね。
恋愛映画でも振られ役とかダメ男とか…。

あんなに2枚目なのだからヒーローでもいいのに…。
まぁ逆にカッコいい男だから振られ役も似合うのかもしれません。
そしてあんなにカッコ悪いから僕も見てしまうのかも…。








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「グラスホッパー」伊坂幸太郎 2004/7/31文庫2007/06




妻を殺された元高校教師「鈴木」は犯人を殺すために裏社会に身を堕とす。
しかし、彼の狙う犯人は交通事故で死ぬ。
犯人を殺したのは「押し屋」。

「押し屋」に接触する「鈴木」、殺し屋「蝉」、自殺屋「鯨」も押し屋を追う。
3人の思惑が一つの街の中で交錯する。


帯に惹かれて買ってみましたが、ちょっと期待はずれかな?
帯には「死んでるみたいに生きたくない。伊坂幸太郎、最大の問題作にして最強傑作。」

いかにも面白そうな感じでしたが、内容はイマイチ薄っぺらい感じです。
何人かの視点で同じ事件を追うというの小説はありそうでないものですが、「ラッシュライフ」の時にも思いましたが、なんだかアイデア一発って感じです。

伏線も色々張ってあって面白いのですが、「陽気なギャングが地球を回す」ほど爽快感も無いですし、「重力ピエロ」ほど感動もありません。
           
何度か読みきるのを諦めそうになってしまいました。…それでも読みきらせるところが伊坂さんの才能なのでしょうか…?
                    評価    ★★★☆☆ 


「ラッシュライフ」伊坂幸太郎 2002/07文庫2005/04




泥棒の黒澤、父が自殺して神に憧れる河原崎、不倫相手とお互いの配偶者を殺そうと企む京子、リストラされて再就職先も見つからない豊田。

彼らの人生と拳銃とバラバラ死体。様々な人生がところどころつながり最後にすべてが明らかになる。

この作品は文中に何度も出てくる騙し絵のような、そんな小説です。

様々な人生が一つの街の中ですれ違い、影響を与える。1人の人生だけ見ると不思議なことが他の人生を見ると解ける。

そしてバラバラ事件の謎も結局すべての人生を知っている読者にしか分からない。そんなところがこの小説の面白さでしょうか。
内容よりも実験的なアイデアが面白い小説でした。

黒澤は魅力的なキャラクターです。
伊坂幸太郎の「重力ピエロ」にも出てきます。

               評価    ★★★☆☆



「重力ピエロ」伊坂幸太郎 2003/04文庫2006/06




元モデルで美しくちょっとエキセントリックな性格の母と優しくも強い父親、息子「泉水」と「春」の2人の家族。兄と弟は仲がよく理想的だが、弟は母がレイプされて出来た子だった。

強く生きてきた彼らだったが、時が経ち子供は成長し、母は死に、父も癌に侵される。
そんな時、放火が頻発する。
放火の謎に挑戦する兄泉水。弟春は何をしようとしているのか?


これは著者がミステリファン以外からも注目を浴びた一作です。確かに本格ミステリとは言えませんし、先は読めます。

しかし、それ以上に家族の暖かさに心が動かされます。
父親とは血のつながりの無い「春」、半分しか血のつながりの無い兄弟の美しいまでの繋がりは殺伐とした世界とは対極にあります。

ラストシーンは頭の中に鮮明に浮かび、思わず暖かい涙が出てきました。
               評価    ★★★★★


伊坂さんはきっと優しいのだと思います。著作を読んでいるとシニカルさよりも暖かさを感じます。




この小説には色んな知識が少しずつ出てきますが、僕の知らないことも多かったです。いずれ読んでみたいと思います。
ガンジー自伝 (中公文庫BIBLIO20世紀)
遺伝子・ゲノム最前線―先端研究者7人が明かす
ネアンデルタールと現代人―ヒトの500万年史 (文春新書)
バタイユ入門 (ちくま新書)




この小説はこれまでの著作ともリンクしています。ファンの人はもちろんご存知だと思いますが、まだ読んでいない方は読んでみて下さい。

でも読んでなくても大筋とは関係ないので面白いと思います。
ラッシュライフ (新潮文庫)
オーデュボンの祈り (新潮文庫)
「陽気なギャングが地球を回す」伊坂幸太郎 2003/02 文庫2006/02



この小説が僕にとっての初めての伊坂幸太郎でした。

エンターテイメントの傑作です。
この小説はスピード感があり、伏線が見事に張ってあって最後まで目が離せません。
あとがきで作者が90分くらいの映画が好きって書いていましたが、まさにそんな感じです。


世間では村上春樹に似ていると言われているみたいですけど、僕は東野圭吾さんの作品(「ゲームの名は誘拐」など)に結構似てるかな、って思いました。

僕には村上春樹さんの作品に漂う倦怠感や焦燥感が欠けているような気がします。


とはいえ、村上春樹に似ていれば良い、似ていなければ悪いってこともないので、作家「伊坂幸太郎」として見れば、やっぱり良い作家だと思います。




さて、この小説は4人の主人公が銀行強盗をするクライムノベル(犯罪小説)です。

登場人物は、相手の話す嘘を見分けることができる成瀬、演説と理屈をこねるのが得意な響野、スリの天才久遠、正確無比な体内時計を持つ雪子の4人です。



この4人の個性的なキャラクターの掛け合いが微笑ましく、犯罪小説という感じが一切しません。

ちょっと夕ご飯の買い物に、といった感じで強盗しちゃいます。




小説が面白いかどうかは読んでみないと分からないわけですが、最初の数ページで面白いと思える小説と最後まで読んで、面白かったと言える作品があると思います。

この小説は明らかに前者で、読み始めた瞬間からハマってしまうと思います。




少しネタばれなので注意してほしいのですが、奥田英朗さんの「サウスバウンド」にもこの小説にも、えげつない不良が出てくるのですが、彼らが大人からボコられる姿に喜ぶ僕は危ないのでしょうか…?
                  評価    ★★★★☆


ノベルです。


あと映画化もされました。