「殺人の門」 東野圭吾 2003/08文庫2006/06
田島和幸は歯科医の父をもつ裕福な家庭に生まれるが、小学生時代から不吉な出来事、不幸が断続的に襲い掛かり、ついには親戚の家をたらいまわしにされる境遇まで堕ちる。
大人になり、真面目な性格の彼は地道に暮らそうとするが、なぜかうまくいかない。
そこには一人の男が関わっていた。倉持修という小学生時代からの幼馴染である。
田島は彼を殺そうと決意する。
「憎悪」と「殺意」の叙事詩という解説はなかなかうまく言い表していると思います。
憎むことと殺意には大きな隔たりがあります。そして、殺意と実際に行動に移すことにも大きな隔たりがあるでしょう。
人はそう簡単に殺人は犯せないと思います。
この小説にもあるように「殺人の門」を通るためには、きっかけが必要なのです。
最近の殺傷事件を見ていると、簡単に刃物を出して暴れて人を死に追いやるのが不思議でなりません。
普通にモノを考えることの出来る人ならそんなことをしないと思うんですが・・・。
評価 ★★★☆☆(東野作品にしては物足りない気もします。)
田島和幸は歯科医の父をもつ裕福な家庭に生まれるが、小学生時代から不吉な出来事、不幸が断続的に襲い掛かり、ついには親戚の家をたらいまわしにされる境遇まで堕ちる。
大人になり、真面目な性格の彼は地道に暮らそうとするが、なぜかうまくいかない。
そこには一人の男が関わっていた。倉持修という小学生時代からの幼馴染である。
田島は彼を殺そうと決意する。
「憎悪」と「殺意」の叙事詩という解説はなかなかうまく言い表していると思います。
憎むことと殺意には大きな隔たりがあります。そして、殺意と実際に行動に移すことにも大きな隔たりがあるでしょう。
人はそう簡単に殺人は犯せないと思います。
この小説にもあるように「殺人の門」を通るためには、きっかけが必要なのです。
最近の殺傷事件を見ていると、簡単に刃物を出して暴れて人を死に追いやるのが不思議でなりません。
普通にモノを考えることの出来る人ならそんなことをしないと思うんですが・・・。
評価 ★★★☆☆(東野作品にしては物足りない気もします。)
「鳥人計画」東野圭吾 1989/05文庫1994/07
若きスキージャンプ界のホープが合宿所で毒殺される。
当初警察は現場が閉ざされているため簡単な事件だと高をくくっていたが、アリバイを調べていくうちに予想外の難事件に発展する。
さらに殺人事件の背後に潜む「計画」とは?
「鳥人計画」というタイトルから、空を飛ぶのかと思っていたらスキーのジャンプのお話でした。
80年代に書かれた小説ですし、イマイチ他の東野作品に比べるとタイトルのインパクトが弱い作品ですが、今読んでも十分他の作品に負けない面白さがあります。
裏で進行する「計画」の気配と殺人事件の動機の謎がぐいぐい話に引き込みます。
東野ファンのみならず、スキーが好きな人にもおすすめです。
評価 ★★★★☆
この本のタイトルにもなっている鳥人ニッカネンについてもせっかくなので書いておきます。
ニッカネンは1963年7月17日フィンランド生まれのスキージャンプの選手です。
1982年オスロ世界選手権で18歳のときラージヒルで優勝。
1984年サラエボオリンピックで、ノーマルヒルで銀、ラージヒルで金メダルを獲得。
1988年カルガリーオリンピックではノーマルヒル、ラージヒル、団体ですべて金メダルを獲得。
日本でも有名なジャンパーで鳥人のニックネームで愛されました。
ニッカネンで検索するとこんなDVDを見つけました。
1920年のアントワープ大会から2002年のソルトレーク大会まで、有名選手の活躍の歴史を貴重な映像でつづったスポーツ・ドキュメンタリー作品です。
話は変わりますが、オリンピックって良いですよね。
僕が好きなのはトラック競技なんかで勝負が一発で決まるところです。
始まる前の緊張感と始まって息つく暇もなく競技がすすみ、あっけなく勝負がつくところです。
肩を落とす選手と感極まって走り回る選手がほんの数十秒で決まる、だからこその緊張感が伝わってくるような気がします。
日本のテレビ番組は競技前に、その選手のインタビューやら過去の映像やら家族やら様々な事を伝えてくれますが、僕は最低限の情報だけで十分だと思います。
勝ちたいと願う彼らの表情がすべてを物語ってくれると思うからです。
若きスキージャンプ界のホープが合宿所で毒殺される。
当初警察は現場が閉ざされているため簡単な事件だと高をくくっていたが、アリバイを調べていくうちに予想外の難事件に発展する。
さらに殺人事件の背後に潜む「計画」とは?
「鳥人計画」というタイトルから、空を飛ぶのかと思っていたらスキーのジャンプのお話でした。
80年代に書かれた小説ですし、イマイチ他の東野作品に比べるとタイトルのインパクトが弱い作品ですが、今読んでも十分他の作品に負けない面白さがあります。
裏で進行する「計画」の気配と殺人事件の動機の謎がぐいぐい話に引き込みます。
東野ファンのみならず、スキーが好きな人にもおすすめです。
評価 ★★★★☆
この本のタイトルにもなっている鳥人ニッカネンについてもせっかくなので書いておきます。
ニッカネンは1963年7月17日フィンランド生まれのスキージャンプの選手です。
1982年オスロ世界選手権で18歳のときラージヒルで優勝。
1984年サラエボオリンピックで、ノーマルヒルで銀、ラージヒルで金メダルを獲得。
1988年カルガリーオリンピックではノーマルヒル、ラージヒル、団体ですべて金メダルを獲得。
日本でも有名なジャンパーで鳥人のニックネームで愛されました。
ニッカネンで検索するとこんなDVDを見つけました。
1920年のアントワープ大会から2002年のソルトレーク大会まで、有名選手の活躍の歴史を貴重な映像でつづったスポーツ・ドキュメンタリー作品です。
話は変わりますが、オリンピックって良いですよね。
僕が好きなのはトラック競技なんかで勝負が一発で決まるところです。
始まる前の緊張感と始まって息つく暇もなく競技がすすみ、あっけなく勝負がつくところです。
肩を落とす選手と感極まって走り回る選手がほんの数十秒で決まる、だからこその緊張感が伝わってくるような気がします。
日本のテレビ番組は競技前に、その選手のインタビューやら過去の映像やら家族やら様々な事を伝えてくれますが、僕は最低限の情報だけで十分だと思います。
勝ちたいと願う彼らの表情がすべてを物語ってくれると思うからです。
「パラレルワールド・ラブストーリー」東野圭吾 1995/02文庫1998/03
敦賀崇史は恋人である津野麻由子と幸せに暮らしているはずだったが、何か違和感を感じはじめる。最初は夢に現実とは異なるパラレルワールドが出てくるだけだったが、気になった崇史が調べを進めるうちに徐々に自分が異なった記憶を持っていることに気がつく。
親友の恋人に横恋慕した崇史は何をしたのか?そして2つの記憶は何を意味するのか?
久しぶりに大当たりです!
これは面白い!記憶喪失を扱った小説は結構ありますが、その中でもピカイチです。
記憶の世界と真実の過去を交互に見せることであたかもパラレルワールドのように感じさせられます。
内容は謎と恋愛が主ですが、主人公が過去に何をしたのかが徐々に明らかになるにつれ読んでいる僕まで息苦しくなりました。
最後に真相が分かった時の衝撃は読んでみないとわかりません。しかし、読み終えた後に色んな感情が生まれると思います。
東野さんの作品はどの作品も水準以上でこの作品を読んでさらに他の作品が読みたくなりました。
評価 ★★★★★
敦賀崇史は恋人である津野麻由子と幸せに暮らしているはずだったが、何か違和感を感じはじめる。最初は夢に現実とは異なるパラレルワールドが出てくるだけだったが、気になった崇史が調べを進めるうちに徐々に自分が異なった記憶を持っていることに気がつく。
親友の恋人に横恋慕した崇史は何をしたのか?そして2つの記憶は何を意味するのか?
久しぶりに大当たりです!
これは面白い!記憶喪失を扱った小説は結構ありますが、その中でもピカイチです。
記憶の世界と真実の過去を交互に見せることであたかもパラレルワールドのように感じさせられます。
内容は謎と恋愛が主ですが、主人公が過去に何をしたのかが徐々に明らかになるにつれ読んでいる僕まで息苦しくなりました。
最後に真相が分かった時の衝撃は読んでみないとわかりません。しかし、読み終えた後に色んな感情が生まれると思います。
東野さんの作品はどの作品も水準以上でこの作品を読んでさらに他の作品が読みたくなりました。
評価 ★★★★★
「むかし僕が死んだ家」東野圭吾 1994/05 文庫1997/05
7年前に別れた恋人沙也加から連絡が入る。
彼女は結婚して娘もいるが、昔の記憶に空白の部分があるという悩みを解決するため、「私」にある家へ同行してくれるよう頼む。
その家は洋風の白い家だった。
何年も空き家だったような家を捜索するうちに様々な謎が浮き出てくる。
いったいこの家の中で過去に何が起こったのか?
この小説は多分映画化とかされていませんし、あまり話題にならなかったような気がしますがすごく面白いです。
まず洋館が舞台で、その中には様々な謎が出てくるのですが、洋館に入るのに地下室を通ったり、電気が通っていないことなどから全体的に闇の中で懐中電灯を頼りにすすむ姿が不気味さをあおります。
また謎を「私」と沙也加が推理していくのですがその謎の一つ一つがとても魅力的です。
例えば、メアリー・セレスト号(注1)のようについさっきまで人が住んでいたかのように子供の宿題が勉強机に残っていたりします。
この小説の中では謎が出し惜しみされることなくどんどん出てきてどんどん解かれていきます。
だから、推理小説の魅力である謎解きの快感を存分に味わうことが出来ました。
また、推理以外にも沙也加の精神的な苦しみと成長にも注目して読むとさらに話に奥行きが出ると思います。
注1…1872年にバミューダ海域で起こった怪事件。メアリー・セレスト号の中から乗組員が消失してしまったのである。しかも、キッチンには食事の支度がされていたりとまるで1分前まで誰かがいたかのような状態だった。ちなみにバミューダ海域ではその他にも多くの消失事件が起こっている。
評価 ★★★★★
7年前に別れた恋人沙也加から連絡が入る。
彼女は結婚して娘もいるが、昔の記憶に空白の部分があるという悩みを解決するため、「私」にある家へ同行してくれるよう頼む。
その家は洋風の白い家だった。
何年も空き家だったような家を捜索するうちに様々な謎が浮き出てくる。
いったいこの家の中で過去に何が起こったのか?
この小説は多分映画化とかされていませんし、あまり話題にならなかったような気がしますがすごく面白いです。
まず洋館が舞台で、その中には様々な謎が出てくるのですが、洋館に入るのに地下室を通ったり、電気が通っていないことなどから全体的に闇の中で懐中電灯を頼りにすすむ姿が不気味さをあおります。
また謎を「私」と沙也加が推理していくのですがその謎の一つ一つがとても魅力的です。
例えば、メアリー・セレスト号(注1)のようについさっきまで人が住んでいたかのように子供の宿題が勉強机に残っていたりします。
この小説の中では謎が出し惜しみされることなくどんどん出てきてどんどん解かれていきます。
だから、推理小説の魅力である謎解きの快感を存分に味わうことが出来ました。
また、推理以外にも沙也加の精神的な苦しみと成長にも注目して読むとさらに話に奥行きが出ると思います。
注1…1872年にバミューダ海域で起こった怪事件。メアリー・セレスト号の中から乗組員が消失してしまったのである。しかも、キッチンには食事の支度がされていたりとまるで1分前まで誰かがいたかのような状態だった。ちなみにバミューダ海域ではその他にも多くの消失事件が起こっている。
評価 ★★★★★
「同級生」東野圭吾 1993/02 文庫1996/08
ミステリーのあらすじを書くのはなかなか難しいことを痛感する毎日です。
具体的に書けば書くほどこれから読む人の楽しみを奪うわけですし、かといって抽象的に書くと面白さが伝わらないような気がします。
仕方ないので設定だけを書いて、あとは抽象的に書くしかないのですけれど…。
ではこの本のあらすじを少しだけ書いておきます。
主人公(俺)は高校3年生で野球部キャプテンの西原荘一。
ある日同級生の宮前由紀子がトラックに轢かれて死んだ。
彼女は俺の子供を妊娠していた。
俺は彼女のために、そして俺のために何が出来るのか。
事件は高校生同士のネットワークで徐々に真相が明らかになる。
俺は宮前の死における中心人物なので情報が集まってくる。
そんな時に1人の女教師が事件に関わっていることが突き止められ、学校中で大きな問題に発展するが、彼女が絞殺死体で見つかったことで一転して、俺は容疑者になってしまう。
この小説は一応上記のようなあらすじなのですが、どちらかというと、高校生で同級生を妊娠させてしまった主人公の気持ちの揺れを意識して読んでしまうと思います。
登場人物には他にも両親、心臓に疾患を持つ妹、同級生の野球部マネージャー、宮前に片想いしていた野球部のエース、過去に主人公とつながりのあった同級生の女の子などがおり、彼らとの日常生活も面白いと思います。
読者に挑戦状を出すタイプの犯人を読者に考えさせる推理小説ではありませんので読みやすい学園推理小説です。
しかし実は僕はちょっと東野圭吾にしては失敗したかなって思いました。
心臓に疾患を持つ妹とその原因になった汚染物質を出していた企業や本気で好きだったのかも分からないまま妊娠させてしまった主人公にもっと焦点を当てても良かったんじゃないかと思います。
恋愛小説や青春小説にいくらでもできそうなのになぜ、この作品を推理小説にしたのか…。
東野圭吾さんならもっと面白く出来たんじゃないかと思うのです。
評価 ★★★☆☆
ミステリーのあらすじを書くのはなかなか難しいことを痛感する毎日です。
具体的に書けば書くほどこれから読む人の楽しみを奪うわけですし、かといって抽象的に書くと面白さが伝わらないような気がします。
仕方ないので設定だけを書いて、あとは抽象的に書くしかないのですけれど…。
ではこの本のあらすじを少しだけ書いておきます。
主人公(俺)は高校3年生で野球部キャプテンの西原荘一。
ある日同級生の宮前由紀子がトラックに轢かれて死んだ。
彼女は俺の子供を妊娠していた。
俺は彼女のために、そして俺のために何が出来るのか。
事件は高校生同士のネットワークで徐々に真相が明らかになる。
俺は宮前の死における中心人物なので情報が集まってくる。
そんな時に1人の女教師が事件に関わっていることが突き止められ、学校中で大きな問題に発展するが、彼女が絞殺死体で見つかったことで一転して、俺は容疑者になってしまう。
この小説は一応上記のようなあらすじなのですが、どちらかというと、高校生で同級生を妊娠させてしまった主人公の気持ちの揺れを意識して読んでしまうと思います。
登場人物には他にも両親、心臓に疾患を持つ妹、同級生の野球部マネージャー、宮前に片想いしていた野球部のエース、過去に主人公とつながりのあった同級生の女の子などがおり、彼らとの日常生活も面白いと思います。
読者に挑戦状を出すタイプの犯人を読者に考えさせる推理小説ではありませんので読みやすい学園推理小説です。
しかし実は僕はちょっと東野圭吾にしては失敗したかなって思いました。
心臓に疾患を持つ妹とその原因になった汚染物質を出していた企業や本気で好きだったのかも分からないまま妊娠させてしまった主人公にもっと焦点を当てても良かったんじゃないかと思います。
恋愛小説や青春小説にいくらでもできそうなのになぜ、この作品を推理小説にしたのか…。
東野圭吾さんならもっと面白く出来たんじゃないかと思うのです。
評価 ★★★☆☆



