「失はれる物語 」乙一 2003/12 文庫2006/06
6篇からなる乙一さんの短編集です。
Calling You…友人のいない寂しい私は、頭の中でふと携帯電話をイメージしてみる。そのイメージはどんどんリアルになり、ある日頭の中の電話が鳴る。出てみると男の子の声がして…。不思議な話ですが、なんとなく切なくなります。
失われる物語…トラックとの事故で私は腕の感覚と指を少しだけ動かせるだけのほぼ植物人間の状態になってしまう。妻が私の腕をピアノの鍵盤に見立て弾いてくれる。それだけが外界との接触となる。これも男と妻の苦悩が絵のように浮かんできます。
傷…他人の傷を自分に移すことの出来る少年アサト。彼は傷ついた人のために自分が傷ついていく。傷だらけの少年の美しさに心が震えます。
手を握る泥棒の物語…宝石を盗むために壁に穴を開けて隣の部屋に手を突っ込んだ「俺」。しかし手を入れた先には女の子がいて、思わず手首を握った「俺」は泥棒に失敗したのだったが…。
しあわせは子猫のかたち…伯父の持つ古い貸家で一人暮らしすることになった「ぼく」の前に幽霊の雪村と子猫が現れる。「ぼく」と幽霊と子猫の奇妙な同居生活が始まった。
マリアの指…「僕」の大好きだったマリアが自殺した。そして白い猫が彼女の指をもたらす。僕は彼女の指を瓶詰めにして保存することを思いつく。
この作品はどれも美しい物語です。
乙一さんの小説はGOTHを含め、グロイ印象だったのですが、これは乙一さんの新しい一面を見せてくれました。
特に表題になっている「失われる物語」は腕の感触だけしかない真っ暗な世界に生きる男を上手く使った新鮮な話でした。
また僕は「手を握る泥棒の物語」もテレビドラマのようで面白かったです。
乙一さんの作品をあまり読んだことのない人に是非読んでもらいたいと思います。
評価 ★★★☆☆
ハードカバーはこちら。
また最近知ったのですが、この短編集の中の「傷」が『KIDS』というタイトルで映画化されるようですね。
主演は小池徹平さんと玉木宏さんです。話題になりそうです。
6篇からなる乙一さんの短編集です。
Calling You…友人のいない寂しい私は、頭の中でふと携帯電話をイメージしてみる。そのイメージはどんどんリアルになり、ある日頭の中の電話が鳴る。出てみると男の子の声がして…。不思議な話ですが、なんとなく切なくなります。
失われる物語…トラックとの事故で私は腕の感覚と指を少しだけ動かせるだけのほぼ植物人間の状態になってしまう。妻が私の腕をピアノの鍵盤に見立て弾いてくれる。それだけが外界との接触となる。これも男と妻の苦悩が絵のように浮かんできます。
傷…他人の傷を自分に移すことの出来る少年アサト。彼は傷ついた人のために自分が傷ついていく。傷だらけの少年の美しさに心が震えます。
手を握る泥棒の物語…宝石を盗むために壁に穴を開けて隣の部屋に手を突っ込んだ「俺」。しかし手を入れた先には女の子がいて、思わず手首を握った「俺」は泥棒に失敗したのだったが…。
しあわせは子猫のかたち…伯父の持つ古い貸家で一人暮らしすることになった「ぼく」の前に幽霊の雪村と子猫が現れる。「ぼく」と幽霊と子猫の奇妙な同居生活が始まった。
マリアの指…「僕」の大好きだったマリアが自殺した。そして白い猫が彼女の指をもたらす。僕は彼女の指を瓶詰めにして保存することを思いつく。
この作品はどれも美しい物語です。
乙一さんの小説はGOTHを含め、グロイ印象だったのですが、これは乙一さんの新しい一面を見せてくれました。
特に表題になっている「失われる物語」は腕の感触だけしかない真っ暗な世界に生きる男を上手く使った新鮮な話でした。
また僕は「手を握る泥棒の物語」もテレビドラマのようで面白かったです。
乙一さんの作品をあまり読んだことのない人に是非読んでもらいたいと思います。
評価 ★★★☆☆
ハードカバーはこちら。
また最近知ったのですが、この短編集の中の「傷」が『KIDS』というタイトルで映画化されるようですね。
主演は小池徹平さんと玉木宏さんです。話題になりそうです。
「GOTH」乙一 2002/07 文庫2005/6/25
誰ともかかわらない、群れないようにして生きている森野夜と「僕」。
完全に孤独に暮らす森野と違い、「僕」は嘘の笑顔で人間関係をうまく作ってきた。
そんな「僕」に森野が気づき、知り合いになる。
二人は死体や血生臭い事件を捜すのが好きで様々な事件に遭遇する。
そんなお話です。
リストカットやナイフでめった切りなど血生臭いものも多いですが、僕が好きなのは「土」という物語で、この章が最も情緒があったと思います。
思春期の子供たちが「自分を他の人と違う」と思いたい。
そんな感じの本です。
中学時代に僕が読んでいたら夢中になっていたと思います。
そして、道徳的とか、そういう常識を描かないところが今でも気に入ってます。
読み返してみて思うのは、乙一さんの小説はどことなく情緒があります。
静かで染み入るような言葉、情景に惹きつけられる気がします。
評価 ★★★☆☆
文庫版は2冊に分かれてました。
一冊ずつではなく2冊とも読んで欲しいです。
ハードカバーはこちら。
GOTH―リストカット事件
この本は漫画化もされてました。読んでみて気に入ったらどうぞ。
誰ともかかわらない、群れないようにして生きている森野夜と「僕」。
完全に孤独に暮らす森野と違い、「僕」は嘘の笑顔で人間関係をうまく作ってきた。
そんな「僕」に森野が気づき、知り合いになる。
二人は死体や血生臭い事件を捜すのが好きで様々な事件に遭遇する。
そんなお話です。
リストカットやナイフでめった切りなど血生臭いものも多いですが、僕が好きなのは「土」という物語で、この章が最も情緒があったと思います。
思春期の子供たちが「自分を他の人と違う」と思いたい。
そんな感じの本です。
中学時代に僕が読んでいたら夢中になっていたと思います。
そして、道徳的とか、そういう常識を描かないところが今でも気に入ってます。
読み返してみて思うのは、乙一さんの小説はどことなく情緒があります。
静かで染み入るような言葉、情景に惹きつけられる気がします。
評価 ★★★☆☆
文庫版は2冊に分かれてました。
一冊ずつではなく2冊とも読んで欲しいです。
ハードカバーはこちら。
GOTH―リストカット事件
この本は漫画化もされてました。読んでみて気に入ったらどうぞ。


