ノンフィクション 高野秀行

ノンフィクション 高野秀行の情報ページです。
「幻獣ムベンベを追え」高野秀行 2003/01



これは著者による初めての著作です。

早稲田大学探検部によるアフリカのテレ湖でのモケーレ・ムベンベ探索の記録です。
いつもながらに真面目にこんなことをした人たちがいるということに驚かされます。



僕は先に「ワセダ三畳青春記」、「怪しいシンドバッド」を読んでおり、著者の破天荒さも知っていたし、内容も何となく想像できる状態で読みましたが、先の2冊に比べるとこの本は朴とつとしているが、それが逆に傑作だと感じました。




ところで、僕はテレビで芸能人が秘境に行く番組が好きではありません。好きではないどころかそんな番組が始まると確実にチャンネルを変えます。

なぜなら、そこには冒険も未知なる物も感じることが無いからです。

事前にスタッフなどが現場を確認し、シナリオが練られ、通訳や撮影スタッフたちとともに行動する冒険なんてあるでしょうか?
さらに現地での苦労も芸能人だからか、それほど見ていて感じたことはありません。
そのくせ、スタジオで「めちゃくちゃ大変だったんです!!」などと自慢げに話したりするのを見ているとイライラしてくるのです。


確かに実際辛かったのかもしれませんし、撮影も大変だったのかもしれませんが、本当に辛い体験をした人の話を聞くと、どちらかというと淡々としたものであると思います。

この本を読んでさらにその気持ちは強くなりました。

例えば、背中がハチだらけになっていても、マラリアで生死の淵をさまよっている仲間がいても、チンパンジーやゴリラの解体を見ても著者は動じませんし、郷に入れば郷に従い、現地の人の食べ物を旨い旨いと食べます。
嫌がるそぶりなど一切ありません。

むしろ、この本の中での苦労話ではおなかがすいたときの苦労なんかが一番印象的でした。



また、読み進めていく中で、著者がアフリカの奥地で考えることも印象に残りました。
たぶん、普段の生活の中で誰かが言っていたなら「何をえらそうに悟ったようなことを」と反感を感じそうなことでも著者がアフリカの極限の生活の中で感じているせいか、「なるほど、やっぱりそうなんだな」と納得してしまいます。

自分も探検隊の中にいるような気になるほどリアルで、自分も行ってみたくなる男のロマンに満ちた本ですのでぜひ1度読んでみてください。

テレビやファンタジーでは教えてくれない冒険が詰まっています。
               評価    ★★★★★




ところで、UMAをご存知ですか、未確認生物のことですが、ネッシーやイエティなど様々な奴らがいます。
僕はそんな奴らが大好きでネットでもよく調べます。
ちなみに僕が個人的にいてほしいなぁと思っているのはオゴポゴです。モケーレ・ムベンベよりは可能性もあるのではないかと勝手に思っています。

僕がよく行くサイトはこちらのUMAファンというサイトです。

勝手に紹介してしまいますが、情報量がすごいです。ここさえ見ていればUMA通になれること間違い無しです。
「ワセダ三畳青春記」高野秀行 文庫2003/10



辺境冒険家の高野秀行さんは早稲田大学の冒険部出身なのでワセダに住んでおられたわけですが、3畳間の家賃12,000円のアパート「野々村荘」に11年間も住まれていました。

アパートに住んでいる人は本人も含めて奇人変人だらけです。
司法浪人の40代男や金にも時間にもケチな守銭奴、探検部の後輩などの奇行がすごいです。

11年間も住んでいると様々な事件が起こり、笑いあり涙ありでまったく飽きません。

ドラッグを試すためにダチュラの実を食べてみたり、プールに凝りすぎて大会に出てみたり、放浪から帰ってきたら知らない人が自分の家に住んでいたりします。

また、20代の後半になり得体の知れない不安などを感じる姿にはなんとなく共感ももてますし、最後の野々村荘との別れはホロリときます。

正直に書かれている著者の心情には素直に好感をもてます。




リリー・フランキーさんの「美女と野球」と同じような作りですが、こちらの方が下ネタなしでみんな楽しめるのではないでしょうか。

この本は第1回酒飲み書店員大賞を受賞しただけあって、酒のつまみに読みたい一冊です。
本当に面白い本で、教えてくれた従兄弟には感謝です。
                 評価    ★★★★★





「怪しいシンドバッド」高野秀行 1997/07 文庫2004/11



辺境冒険家を自任する著者はとにかく行動力がすごいです。
この本の中だけでも、インド、ミャンマー、アフリカ、南米、中国と世界中いたる所に飛んでいきます。

その目的は、アフリカでは怪獣(UMA)探し、中国では野人探し、南米はアマゾンへ幻の麻薬を求め、危険をもろともせず突っ込んでいく。



そして行く先々でゲリラやマフィアとでも仲良くなってしまう。



しかし、「死にに行くようなものだ!」とか「何をしにそんなところへ?」と言われながら、安全や便利さを無視した世界に飛び込むところに著者の懐の深さ?を感じます。


こんな無鉄砲な人が今も生きていることに感謝したい。


で、最後に面白い一文がカバーの裏に書いてあったので抜粋しておきましょう。
 「とんでもない男だ。−中略−この人、多分何も考えていない」(解説・大槻ケンヂ)

この一文がこの本と著者の性格を表しています。
                評価    ★★★☆☆