小説 北村薫

小説 北村薫の情報ページです。
「水に眠る」北村薫 1994/10 文庫1997/10



推理作家北村薫による恋愛小説です。
全10篇からなる短編集ですが、どの話もほろ苦く切ない物語です。

北村さんはデビュー後公に姿を見せず仮面作家として活動していました。
彼の文章のやわらかさなどから「女性作家ではないか」などの憶測がファンの間で囁かれるなどされていました。

様々な小説を書かれている北村さんですが、推理作家とは思えない短編集です。
推理作家の北村薫ファンの方にも読んでいただきたい一冊です。


いくつか内容を紹介します。

恋愛小説…仕事にもなれてそれなりに楽しく暮らしている美也子。28歳の彼女は母親からは見合い話を勧められているがそんな気にはならない。しかし、生活に何かが足りない。そんな時に一本の電話が入る。名前も名乗らず何もしゃべらない受話器の向こうから優しいピアノの旋律だけが流れてくる。

水に眠る…つまらない人間関係を我慢しながら暮らしているわたしが会社の同僚西田さんに話しかけられる。彼がわたしを連れて行ったのはとある酒場。そこで出されたウィスキーはチリチリとするような切ない味がした。西田さんが転勤することが分かり、わたしはもう一度酒場を訪ねる。

植物採集…周りからは才気煥発と言われる京子だが、小太りで口なまけもの、趣味はインド仏教の俊一に仄かな想いをもっていた。しかし俊一に彼女ができて…。


心に染み入るような物語で、休日の午後にコーヒーでも飲みながらゆっくり読みたい作品です。
                   評価    ★★★★★