小説 鈴木光司

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「神々のプロムナード」鈴木光司  2003/4/25文庫2007/4/13



ある日主人公村上史郎のもとに友人の妻松岡深雪から電話が入る。
夫が失踪したというのである。
村上は深雪に頼られるままに松岡邦夫を捜し始める。
徐々に明らかになる村上の過去とともに謎の新興宗教「天地光輪会」が姿を見せる。
子供を抱えた深雪は生活への不安を感じながら、村上は親友の妻への想いを隠し、捜査を続ける。

そんな中、テレビで人気の知性派女子アナウンサー加納諒子、「天地光輪会」を取材中のルポライターも失踪する。
村上はこの失踪事件の真相にたどり着けるのか?



「リング」に先立つ世界観 息を呑む結末!という帯に惹かれ、最初の数ページで購入しましたが、感想は「うーむ…」というところです。



親友の失踪と宗教という物語の主題はすごく面白いですし、前半はこちらのワクワク感もすごくあがってきます。

深雪の弱すぎる??というか、あまりに考えが浅い性格に「エー!!」って感じですし、村上の都合の良い解釈をして親友の妻を奪ってみたり。おかしな点はいくらでもありますが、それでも面白く読ませてもらいました。


ところが、この新興宗教が曲者で、後半に入っても全然話の中心に来ないのです。
そして、盛り上がりの無いままにラスト。



読後の感想。
著者は新興宗教を勧めているのでしょうか?そんな印象すら受けるほどメッセージ性が曖昧です。
最後はきれいにまとめたというよりはやっつけたって感じです。



いやー、ガッカリしました。
リングに先立つ世界観はどこに?
息を呑む結末はいったいどこに?


               評価    ★★☆☆☆
「ループ」鈴木光司 1998/01 文庫2000/09




二見馨は子供の頃、重力異常のある地点を発見し、父とともに旅行した。
しかしそんな父を癌で失い、彼は母親とともに暮らしながら医学部に入学。
そして父のいた病院でシングルマザーで頑張っている礼子と出会い愛を育む。
しかし、転移性ヒトガンウィルスはさらなる変化を遂げ、いまや礼子を含め世界中のあらゆる生き物を殺そうとしていた。

彼はかつて父とともに行った村でヒトガンウィルスを克服した症例を聞きアメリカに向かう。
全人類の命を懸けた戦いが始まる。


リング (角川ホラー文庫)」「らせん (角川ホラー文庫)」に続く3作目。

リングは映画化もされましたしハリウッドでリメイクされるなど有名なのでご存知ない方の方が珍しいと思います。あのラストシーンは鳥肌でした。

しかし、らせんになって趣が変わり始めます。ホラー小説じゃなかったの?という感じが僕にはしましたが、むしろ「呪いのビデオ」とかより面白かった覚えがあります。

そして、高校時代に読んだこの「ループ」は最高傑作です。
一気に読み終え、しばらく余韻に浸りました。
内容が頭の中をぐるぐる回り(ループだ!)、現実世界がおぼつかなく感じました。

何度読んでも上手いなあ、と思います。


また、「リング」の高山や貞子、「らせん」の浅川などについても新たに謎が解けてこれまでのファンの人にこそ読んでほしいと思います。

特に「らせん」で止まっちゃった人はぜひ読んでください。


そういえば浦賀和宏の作品にもよく似た世界があります。
ループにハマった人なら面白いのではないでしょうか?
ただし、浦賀さんの物語もはじめから読んだ方が良いと思います。
                  評価     ★★★★★


ハードカバーです。