小説 三島由紀夫

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「春の雪」三島由紀夫 1969 文庫1977/7



輪廻の物語「豊饒の海」のシリーズ第1章です。全4章あります。



この作品は侯爵家の子息松枝清顕と伯爵家の令嬢綾倉聡子の恋の物語です。



松枝清顕は容姿端麗で生まれながらの貴族としての雅さも持ち合わせた羨ましい男です。
綾倉聡子もまた美しい女性で、描写を見る限り、似合いのカップルな訳です。

松枝清顕と綾倉聡子は幼馴染であり、自然とお互いを意識するようになっていました。

しかし、清顕は自尊心や周囲への体裁から、一方的に聡子に対してひどい態度をとります。

それでも清顕を一途に想っていた聡子もある時、ついにあきらめ、宮家に嫁ぐことになります。

そのとき初めて清顕は自分の気持ちに気がつき、物語は禁断の愛へと進んでいくのです。



あらすじを見ているとまるで昼ドラのようです(笑)


しかし、昼ドラと違うのは、人物(特に清顕)の心理を深く掘り下げているところではないでしょうか?

実際、好きなら好きで良いじゃないかって事なんですが、読んでいると松枝清顕の行動の理由が分かり、ある程度共感も出来てしまうのです。

それを説得するわけでもなく、自然に読者に感じさせる、そこが三島由紀夫の凄いところだと思います。

納得している自分に気がついたときには本当に鳥肌が立つような気持ちがしました。



切なくも美しい恋の物語ですし、三島由紀夫を怖がらず、じっくり読んでみませんか?
                    
                        評価    ★★★★★