200804

200804の情報ページです。
「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午 2003/03 文庫2007/05




「何でもやってやろう屋」を自称する成瀬将虎がひょんなことから悪徳霊感商売をめぐる事件に巻き込まれる物語。
2004年「このミステリーがすごい」で第一位を獲得。



「このミステリーがすごい」で第1位を獲得した作品というわけで読んだわけではなく、単にタイトルに惹かれて買ってしまいました。



「葉桜の季節に君を想うということ」。なんて詩的でカッコいいタイトルなんだ!と本屋で感動してしまい、即買ってしまった僕ですが、読んでみてビックリ…。

恋愛小説っぽいタイトルでミステリなので、ミステリ的な問題は覚悟していましたが、それは杞憂でした。


叙述トリックに最後は思わずうならされました…が、タイトルほどに魅力的とは言いがたい作品です。

おそらく最後の叙述トリックがすごいだけで、それ以外は特に驚くこともなく、内容としては薄い感じがしたからではないかと思います。


しかし、とにかくタイトルが良い。読み終わってみてタイトルの意味も分かりますが、素晴らしいタイトルです。
それだけで価値がある小説です。(それだけしか…)
タイトルって大切ですね。


この小説を読んで、著者の小説をこの先読むかどうかは分かりませんが、タイトルに凝る作家さんですね。

AMAZONで検索してみると「世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)」「ジェシカが駆け抜けた七年間について」「そして名探偵は生まれた」など思わず手に取りたくなるタイトルです。
                         評価    ★★★☆☆
文庫版です。買うならこちらを、それも中古商品をおすすめします。
「ダンス・ダンス・ダンス」村上春樹 1988/10文庫2004/10



羊をめぐる冒険」から10年が経過し、「僕」が再び迷走する。
友人との翻訳事務所もやめ、ライターとして暮らしている「僕」だが、「羊をめぐる冒険」のあと、何かを失ったように感じてきた。
それを探すために再び北海道に行くが…。
「僕と鼠」の青春3部作の続編。




この作品は僕の村上作品のレビューを読んでもらったら分かると思いますが、誰が何と言おうと僕にとっては良作です。

たとえ長すぎると感じても、意味が分からなくても大好きです。

下に批判も書いていますが、村上春樹の長所(洒落た文章や読者を魅了するストーリー、登場人物の魅力など)が、しっかりと出ていて、「ノルウェー」よりは100倍良いと思いました。
主人公の不安や苦しみも理解でき、おすすめの一冊です。




しかし今回はこれまでと違い、青春の中でも「死」がやたらと出てきて、これがテーマの一つなんだと思いますが、いかんせん死にすぎという感が否めません。
ひょっとして登場人物がみんな死んでしまうのではないか、とすら思いました。

厳しい言い方をすれば、もうちょっと死を重く扱うべきだったのではないかと思います。




この小説の中に出てくる言葉で一番印象に残ったのは「踊り続けなければならない」という羊男(作中に出てくる男)の言葉です。

生きていく中で、つまずいたり、立ち止まったり、あるいは不安を感じているすべての人の心に沁みこむのではないでしょうか。


ちなみにこの本を読む場合、確実にこのシリーズを読んでからの方が良いと思います。
                         評価    ★★★★★



「スパイのためのハンドブック」ウォルフガング・ロッツ著 1982/3/30



かつて本物のスパイだった男の書いたスパイになるためのHOW TO本!!

これはすごく魅力的で、これまで無かった斬新な本です。
本屋で見つけて、買う予定は無かったのに僕は衝動的に買ってしまいました。


内容はいたってシンプル。

スパイに就職する方法から始まり、給料体系、訓練の様子、賄賂の仕方、警察に捕まってからの対処の仕方、刑務所での生活の仕方、そして老後をどう過ごすか。

これらを著者の経験を交えて教えてくれます。


映画ではない実際のスパイの暮らしなどが明かされており、僕の好奇心を満足させてくれました。
また、ちょくちょくあなたの適正度チェック!みたいなのがあって、これも面白かったです。
僕は結構スパイに向いてるみたいでした。


スパイになることを前提に書かれているこの本は、ある意味笑ってしまいます。
「このとき〜にあなたは注意しなければいけない。」とか言われても………多分僕は一生使いません。




読んでみて気がつきましたが、案外この本はビジネス書としても成り立ちそうです。

例えば、スパイとして周りを騙すわけですから、人間関係などは絶対に必要ですし、相手の感情や、利害を読む能力に長けていないとスパイにはなれないでしょう。


ビジネス本なんてみんな同じようなことが書かれている!と食傷気味なら、手を伸ばしてみても良いかもしれません。